第9章 トーナメント / ICM
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ICM — バドゥーギでは何が変わるか
トーナメントのチップは賞金に線形換算できない。 その換算表が ICM で、数字は厳密に計算できる。 ここで大事なのは一般論ではなく、この種目のどの判断が動くか。
4人残り・3人まで賞金(50 / 30 / 20)。チップ総量を 100 とする。
| チップ(全体比) | 賞金期待値(ICM) | チップ1点の価値 |
|---|---|---|
| 40% | 33.6% | ×0.84 |
| 30% | 29.5% | ×0.98 |
| 20% | 23.6% | ×1.18 |
| 10% | 13.3% | ×1.33 |
同じ条件で4人が横並びのとき、1人からのオールインを受けるか:
| 選択 | 賞金期待値 |
|---|---|
| 降りる | 25.0% |
| 受けて勝つ | 38.3% |
| 受けて負ける | 0.0% |
| コールに必要な勝率 | 65.2% |
| (チップ期待値なら) | 50.0% |
Malmuth-Harville の数え上げ(厳密)。ベットの巧拙・ポジション・種目差は入らない換算表であり、戦略そのものではない。
要点だけ。チップの4割を持つ1位の1点は 0.84 に目減りし、 1割しか無い4位の1点は 1.33 倍。 増やす価値より、失う痛みが常に大きい。 バブルでオールインを受けるのに、チップ期待値なら 50% でよいところ ICM では 65.2% 要る——15pt のリスクプレミアム。 打つ側は逆に、この 15pt ぶん相手を降ろしやすい。
| 向き | バドゥーギで具体的に動く判断 |
|---|---|
| 締める | 成立へのブラフキャッチ。 平時は「成立していれば受ける」が基準だが、バブルでは 高い成立の薄いキャッチから捨てる。この種目で一番よく出る判断 |
| 2枚引きの参加。 元から後ろ限定の手を、さらに切る | |
| 高い成立での上げ合い。 キャップまでの持ち出しが、プレミアム込みで見合わなくなる | |
| 緩める | スノー。相手のキャッチ基準が上がるバブルは、 もともと通るブラフがさらに通る |
| 1枚引きどうしの圧。 8割外し合う場面で、先に打つ側の取り分が増える |
「相手が降りられない強さ」より「相手が降りたくなる場面」を数える。 バドゥーギのバブルは後者が一番増える—— 成立1つで押し切れる回が多いのはこのため。